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好きに書いています

『フード左翼とフード右翼』

これもKindleで。

女性同士、仕事の打合せとか食事にいくとオーガニック、野菜系の店になることが多い。ものすごく多い。これは東京で仕事してる大人の女、という特殊な状態だから?いや、地方に行ってもそういう店に案内されることは増えてる。新しくできたかんじのいいカフェ、というとだいたいオーガニック的な何かはある、と感じる、全国どこでも。
なので、このタイトルは気になったと同時に、少し前のかんじがした。

著者は『ケータイ小説的』以来、切り口とタイトルが抜群にいいですよね。タイトルだけで中身がものすごくピンと来る、『ラーメンと愛国』も『1995年』も。
というわけで『ケータイ〜』以外は読んでおらず、これもなんとなく想像できる気がしたけど読んでみた。だいたい想像通りだった。政治思想と結びつかせるというのは新しくみえるけど、有機=上流、先端的、知的、ファストフード=下流、大衆と、だいたい言われているくくりではある。

著者が取材を重ねて、食べ歩いてだんだんフード左翼的になってきたけど、今のままでは広がらないと考えるのも納得できる。だけどその解決方法は、遺伝子組み換えしかない!というのにえええーっと驚いたわ。それまでせっかく足で取材して、いろいろ発見していたのに、急にその結論に、文献1冊くらいの根拠からですか、と。
遺伝子組み換え反対のお父さんに、生物学専攻の院卒のいとこと一緒に説得を試みたけどだめだった、とあったけど、そこは素直に面白かった。そういうのを読ませてくれれば十分、と思う。