『家族喰い』
買ったはいいけどしばらく置いといた本。買おうと決断しても、すぐに読みたいのとそうじゃないのがある。不思議だけど。それで何故昨日急に一気に読んでしまったかわからない。珍しく家族揃っていたからかな。
- 作者: 小野一光
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2013/10/30
- メディア: 単行本
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親族同士で殺人を繰り返し、主犯があっさり刑務所で自殺した、とにかく特集異常な事件、では片付けられないことが突き付けられて苦しい。
擬似家族を次々作り、名前を次々変え、親族の関係を利用して金を巻き上げ続けた美代子のルーツは、親や家族に恵まれなかったことなのか。
そして文中何度も出てくる、被害者や周囲が警察に駆け込んでも親族間のことだから「民事不介入」で相手にされなかったというのは、家族の意味をぼんやり甘くゆるく捉えてる、もしかしたら今の日本の最大の盲点なのでは。
家族なんだからひどいことするわけない、につけ込める隙があるのなら、家族は助け合うべき、と憲法に盛り込もうとしてるこの国は、とんだ平和ボケかとやはり思う。