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『家族喰い』

買ったはいいけどしばらく置いといた本。買おうと決断しても、すぐに読みたいのとそうじゃないのがある。不思議だけど。それで何故昨日急に一気に読んでしまったかわからない。珍しく家族揃っていたからかな。

家族喰い――尼崎連続変死事件の真相

家族喰い――尼崎連続変死事件の真相


親族同士で殺人を繰り返し、主犯があっさり刑務所で自殺した、とにかく特集異常な事件、では片付けられないことが突き付けられて苦しい。
擬似家族を次々作り、名前を次々変え、親族の関係を利用して金を巻き上げ続けた美代子のルーツは、親や家族に恵まれなかったことなのか。
そして文中何度も出てくる、被害者や周囲が警察に駆け込んでも親族間のことだから「民事不介入」で相手にされなかったというのは、家族の意味をぼんやり甘くゆるく捉えてる、もしかしたら今の日本の最大の盲点なのでは。

家族なんだからひどいことするわけない、につけ込める隙があるのなら、家族は助け合うべき、と憲法に盛り込もうとしてるこの国は、とんだ平和ボケかとやはり思う。