「東京島」
「アラフォー」が流行語大賞になったけど、この本の主人公清子もまさにその世代。
無人島に流れ着いた二十数人の中の、たった一人の女が、46歳。その設定で、その年齢にするところが、桐野夏生の黒さ全開だ。
無人島暮らしのサバイバルでも壮大な冒険でもなく、狂気、エゴ、醜さ、滑稽さ、あと物理的な汚さが満載で、黒桐野を堪能した。
「気持ち悪い」「不快」「ストーリーが弱い」とかいう声も多いみたいだが、この気持ち悪さを楽しまないのはもったいないよう。
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
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