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「いま、地方で生きるということ」


「働き・生きること」を考察してきた著者に、出版社からこの企画の提案があったのが2010年8月、その後震災を経て、オファーした版元が地方に拠点をつくり、「地方で生きる」を先に実践していた、というまえがきが、いい。20年間も「東京以外に場所を持ちたい」と思ってきたが行動に移せず、それがなぜだかよくわからない、という吐露も正直だ。
それを確かめるべく、震災数ヶ月後に東北、九州に気になる人を訪ね、インタビューし、考察して作り上げた、という本。

旅の過程も、インタビューも、著者の記憶なども流れるように出てくる不思議な構成だが、読んでいくうちにその「徒然さ」みたいなものの必然性を感じてきた。動きながら見えてくる、というか感じるものを積み上げていっているというか。
そうしたら著者インタビューで、
「最初に頭に浮かんだのは、ひとつの流れに乗って、一筆書きみたいな勢いで書かないと、この本はできないなということでした」
とあって、本当、それ伝わりました。

いま、地方で生きるということ

いま、地方で生きるということ