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好きに書いています

満島アワー

レディースデーにつき映画「夏の終わり」を見て、帰ってすぐ「Woman」を見た。

どんだけ満島ひかり推しか、って話ですが、小林薫が「夏の終わり」では愛人、「Woman」では義理のお父さん、という役柄なので、もういっそ連続して見たらどうなるか、と思ってやってみた。
 
結論としては、全く別物でした。ダブったりしなかったなー。
「夏の終わり」は、時代的に感情移入出来ないところもあったけど、恋愛のどうしようもならなさの空気みたいなのがよかった。
見てるときは意識してなかったけど、これほとんど3人(上記2人と綾野剛)しか出てこない。舞台も家の中や路地、店内くらいで引きのシーンとかあまりないのに、単調なかんじもせず2時間見入ってしまうって、役者がすごいんですかね。
そういえば、喫煙シーンばんばんあったけどこれも何か言われるのかな。
 
「Woman」ねー、もうみんないいし、のぞみ役の女の子も、まあ見せること。が、今日は弟のりく、お母さんの話聞きながら甘えてるとき、何げにおっぱいとか、手とか腕とか、ちょいちょいさわってるのが自然!これ演技か!だとしたらどうやってやらせるのか!というところが注目だったす。
 
 

明日からの「あまちゃん」に向けて、「11人もいる!」5話を思い出して

あまちゃん」当初から気になっていた震災の日がやってきた。
怖い、と思う反面、でもクドカンは、あのときの表現があるから大丈夫、
と思い出すのが「11人もいる!」の第5話。

あのドラマは震災から半年くらいしか経っていなくて、ドラマ、しかもコメディとかで扱うような雰囲気じゃなかったんだよね。
それが、「仙台から一時的に転校して来た」男の子卓郎が、真田家のぽっちゃり女子五月に告白、回りから腫れ物にさわるように扱われている中、五月は邪険にする、みたいな展開で震災が盛り込まれていた。
他の女子が「卓郎君はかわいそうなんだよ」「今は日本がひとつにならなきゃいけないのに」とか言う中、「それとこれは別!」とラブレターをゴミ箱に投げ捨てる、でも気になるから後で拾って家でお母さんやお姉ちゃんにそれとなく意見を聞く、とかかわいい。「絆」とか「がんばろう」の前にある、小学生女子の感情だもんね。
卓郎が五月を好きになったのが「懐かしい感じがする」と言ってたが、お弁当箱についてたキャラクターに似てたから、というのをがれきから出てきたのを見て思い出すとか、伏線もさりげないけど胸を打つ。

というようなことが、きっとあるのだと思う。
水口が春子の事務所の面接にいく前、けじめをつけるってユイに電話して、「また潮騒のメモリーお座敷列車で歌ってもらう。なんなら満員電車でもいい」と言っていたのが、何かのかたちで現れるのでは、と思っています。

あと、「11人もいる!」の真田家長女二子が、若いときの春子役の有村架純だったんですねー

「緊デジ」のひどすぎる顛末を聞いて

昨日はリブロ池袋店のブックフェア「東北 <可能性としてのフロンティア>」を見に行き、関連イベント「仙台オヤジ編集者、池袋で語る」を聞いてきた。

仙台の出版社〈荒蝦夷〉の土方正志さん、プレスアートの川元茂さん、東北大学出版会の小林直之さんは「仙台オヤジ編集者3人衆」を名乗って、年間ベストテントークイベントや3社合同ブックフェアなどを展開しています。今回は土方さんと川元さんに被災地の出版社としての2年余りを語っていただきます。司会はプレジデント社の石井伸介さん(仙台出身)です。

震災直後のことから、現在の街や人の様子、地方出版や書店の話など、なかなか聞くことが出来ない現場の話は、ただ聞くことしかできないけれど、聞けてよかった。
そして後半、それまでとは違う様子で話題になったのが、「緊デジ」。
「経済産業省「コンテンツ緊急電子化事業」のことだが、これに対し、相当な怒りをもって顛末を話されていた。

これは「国内の出版物を2012年の1年間で6万冊電子化することを目指す」事業で、概略にこう書いてある。

電子書籍市場の拡大及びそれに伴う被災地域の知へのアクセスの向上に向けて、書籍の電子化作業に要する製作費用を国が補助します。

つまり被災地支援が目的で、復興予算から補助金10億円計上されたんだという。
実際にその会議に出た仙台の出版社プレスアートの川元さんによると、経産省職員が壇上で「やりました、みなさんのために10億円獲得してきました!」という調子で説明していたとか。
でも内容が今ひとつはっきりしてなくて「詳細はwebにアップしますので」と、続きはwebでみたいなあやしい様子。そのうち補助対象出版社の定義がこれだった。

①日本の国内企業であること。中小企業であること
②パブリッシャーズフォーラム(有識者委員会)へ参画している出版団体の会員、(社)日本出版取次協会へ加盟の会員と取引があること、又は(株)地方・小出版流通センターと取引があること
③ISBN出版社コードを保持しており、以下の義務を履行していること
・国際本部運営資金(旧:国際本部分担金)を支払っていること
・書籍JANコードを使用している出版社は書籍JANコード登録申請及び3年ごとの更新を行っていること
④日本出版インフラセンター 商品基本情報センターへ課金承諾書を提出していること

このうち②が問題で、地域の出版社でその地域中心に配本している場合、取次を利用せず書店と取引しているところがたくさんある。なのにこの条件があるため、地域で直販で商売している地方出版社は対象にならない。

しかも書目選定の基本的な考え方として、

以下の優先順位に則り、書目の選定を行う

① 被災地域における知へのアクセスの向上
② 被災地域における新規事業の創出や雇用の促進
電子書籍市場の活性化

というが、実際電子書籍化した6万点が発表になったら、半数近くがコミックスだったというのだ。全点を黙視した川元さんは、被災地域関連書籍は全体の2〜3%だったという。
復興予算10億円使って電子書籍化したのは、東京の大手出版社のコミックス中心。これについて、当該出版社はどう考えているのか。
出版業の端くれにいる人間として、しかも前回電子書籍について書いたばかりだったので、背筋が凍り付きました。
当然ことながら、被災地出版社は怒っています。ものすごく怒っている。
出版に関わる方は、下記ブログ、資料をお読みいただきたいと思います。

プレスアート・川元さんのブログ

復興予算流用の指摘がある緊デジについて。地方出版社の立場から。


荒蝦夷・土方さんの記事(「出版ニュース」2013年08...上)

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電子書籍の契約書が来た

編著で関わった本の出版社から、電子書籍配信許諾についての書類が来た。
大手版元だから、契約書がすごいしっかりしてるなーと思ったけど、電子の方もちゃんとしている。

電子書籍化による配信や価格について、希望小売価格、配信開始時期、配信書店数や主な配信先、取次業者の案内もあって、とても丁寧。しかもやけに易しい文章で書かれていて、理解してもらおうとする苦労がみえます。

契約書は、電子的利用について、電子書籍やそれを他の記録媒体への収録複製販売、インターネット、放送メディア、さらにこれから開発される媒体技術などあらゆるものに対して、独占的な権利を出版社が持ち、配信業者への再許諾も許諾・・・というと版元有利な契約に見えるけど、だいたい出版契約はそういうものだし、契約がないままうやむやに扱われて後でぎゃーっとなるよりは、契約書をきっちりかわす方がいいと思う。
それほど小さくもないところでも、契約書ないところが結構多いようなので・・・

印税額は、紙の書籍と、それほどは変わりません。ほんのちょっぴり、数%プラスくらい。
印刷代かからないのに!倉庫も流通もいらないのに!と、少し前までは思ってましたけどね、でも自分でやってみて、印税大幅アップはありえないと思いましたね、少なくとも大きい出版社から出す電子書籍は。
紙媒体のコンテンツがあっても、それを電子書籍用にフォーマットしなおして、デザインして、配信手数料も想像以上にかかる。販売数はまだまだ全然少ないのに、初期投資は結構な額になってしまう。それにこうやって契約書作ったり送ったり、支払いも少額を定期的に振り込んだり、細かくて小さいビジネスでしょうね。

出版社が既刊を出してくれる、それもきちんとした形で、というならもちろんやってもらうけど、電子書籍で可能性があって面白いのは、やっぱり自分で作って出す、セルフパブリッシングなんだろうな。
電子書籍ストアだったらどこから出しても同じように並ぶんだし、ちょっとがんばれば制作もできなくもない。
大手もやっと手をつけ始めたところで、ノウハウとしては個人も出版社もそーんなには変わらない気がするし、興味ある人は「自分で出す」って選択肢も持ってたらいいんじゃないかな、と思うわけです。

子どもよりペットが多い国

「甘ったれ女子社員」批判があったかと思えば、こんどはこんなのがあった。
週刊東洋経済」8/31号、

職場のお荷物か?戦力か?ワーキングマザー

何、女子叩きキャンペーン月間ですか?
お荷物か?って最初に書くってことは、それが前提ってことでしょう。
「ニッポンの全課長に贈る〈働くママを使えますか?〉」とか、いじわるだなー。
「人事部長匿名座談会 ワーママを扱うのは難しい 職場では不満も上がる」って匿名でグチを言い合う、ビジネス誌。
マタニティハラスメントがどうとか言ってるけど、こんなタイトル自体がハラスメントだわ。
少子化とか、まちがっても同じ口で言うなよ、と思うけど。

待機児童とか、働きやすい会社とか、ありがちな記事ばっかりでなんで買っちゃったんだろうと思ったけど、1ついいデータがあった。

15歳未満の子よりペットのほうが多い!

15歳未満の子ども 1649万人 < 犬猫の飼育頭数 2128万頭

子連れより、犬の散歩する年寄りの方が多いのか。
甘ったれだ、お荷物だ言われるより、犬猫育てる方がラクかもね。
「働くママ市場6兆円!」とか、働かせる気ないのに皮算用してないで、
消費拡大めざすならペット産業に金つぎ込んだらいいんじゃないかって話。

学力調査の正答率と大学進学率

全国学力調査が発表になっていた。
全国の小6、中3生に一斉にする調査で、国公私立93%が参加してるっていうから、今の子たちの学力がだいたいわかるんだろう。
都道府県別に結果が出てるから、秋田が何年連続で1位だとかどこが急上昇したとか、報道ではそういう順位に注目が集まっているけど、それは特に興味はない。

が、ちょっとその問題に、え?と思った。
中3の数学、応用問題のひとつ。

1辺に5個ずつ碁石を並べて正三角形の形をつくります。このとき、碁石全部の個数を求めなさい。

。。。
そしてこの問題の正答率、53.4%
えええーー。

これ、数学なのか。
最悪紙に書けばいいんじゃない?丸をぽちぽちと。
いや、1辺5個だから、角の部分で重ねる、とか思うとか?
でも碁石だから重ならないよね。
あっ、碁石を知らないとか。
などと想像してみるが、
5×3と単純に計算して15にした誤答が2割あったというから、
数学は数式じゃないといけない、それで知ってるかけ算でやってみました、
ということなのかも。
もしかしたら図を描くとか、子どもっぽいとか思うのか。
なんか根本的に、大丈夫なのか。。。

この正答率53.4%。
そして大学進学率は今58.7%というから、
この問題が出来るくらいの学力、なんなら出来ない子も若干、大学に入れるってことだよね。

20年変わらない女子社員観

週刊現代」といえば、袋とじ、性器、長生き、が最近ではウリみたいだけど、女性叩きもたぶん多い。先週号では大々的に、こんな記事が。

 

特大号特別寄稿 セクハラ・パワハラ・マタハラ
曽野綾子「私の違和感」 何でも会社のせいにする甘ったれた女子社員たちへ

 

おじさんも文句が言えなさそうな保守派の曾野綾子をわざわざ担ぎだすのが周到でやらしいわ。内容は、産休なんて会社に迷惑、産んだら会社辞めろ、子育ては個人でするもの、育てて10年後に再就職すればいい、とか、特殊な自由業の人に言われても何の説得力もないつれづれ文だけど、おじさんはその通り、とか思うんでしょうね。この記事のリードがこれだから。

社会に出て、自立して生きる女性は増えている。男性と肩を並べ、仕事をこなす。「女だからって差別しないで」、と願ったのは彼女たちだったのに。今やモンスター社員と化した女子社員に、物申す。

 

モンスター社員...なんかこのフレーズ、似たようなの見た記憶があるなー、と思ったら以前コラム用に調べた記事で、確認したらやっぱり「週刊現代」だった。

「くたばれ! 会社にはびこるアホバカOL 平成ギャルズにブーイングの嵐」
消費税とともにドッと企業に流れ込んだ超新人類OLたち。その一挙手一投足はまさに驚天動地、傍若無人、(略)日本経済の構造そのものをも揺るがしかねないアッパラパーぶりだ

週刊現代』89年10月14日号

 

この記事評判だったらしく、次号からシリーズ化されてたらしい。「同年10月21日号では「本誌”OL対策委員会“の電話鳴りっ放し! くたばれ! 会社を滅ぼすアホバカOL第2弾!」と、より過激になり、「本誌に押しよせたサラリーマンの声、声、声。怒りと涙なくして読めまセン!」と盛り上がりをみせている」(OL財布事情の近年史・第39回)。もー20年以上変わらないスタンス。ちょっとびっくりするわ、改めて。

 

さっそく「AERA」が食いついて反論企画をしてました。

 

週刊現代「甘ったれた女子社員」に勝手に反論
「甘えているのは寄生するおじさん社員ではないですか?」

 

現代に企画意図を聞いたら、今週号でも続きを出すからそれが回答ですってファックスが来たとか。論争になるの?いや、見開きでちょろっと「勝手に反論」てところが、そんな気はなさそうなかんじですね。