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電子書籍の契約書が来た

編著で関わった本の出版社から、電子書籍配信許諾についての書類が来た。
大手版元だから、契約書がすごいしっかりしてるなーと思ったけど、電子の方もちゃんとしている。

電子書籍化による配信や価格について、希望小売価格、配信開始時期、配信書店数や主な配信先、取次業者の案内もあって、とても丁寧。しかもやけに易しい文章で書かれていて、理解してもらおうとする苦労がみえます。

契約書は、電子的利用について、電子書籍やそれを他の記録媒体への収録複製販売、インターネット、放送メディア、さらにこれから開発される媒体技術などあらゆるものに対して、独占的な権利を出版社が持ち、配信業者への再許諾も許諾・・・というと版元有利な契約に見えるけど、だいたい出版契約はそういうものだし、契約がないままうやむやに扱われて後でぎゃーっとなるよりは、契約書をきっちりかわす方がいいと思う。
それほど小さくもないところでも、契約書ないところが結構多いようなので・・・

印税額は、紙の書籍と、それほどは変わりません。ほんのちょっぴり、数%プラスくらい。
印刷代かからないのに!倉庫も流通もいらないのに!と、少し前までは思ってましたけどね、でも自分でやってみて、印税大幅アップはありえないと思いましたね、少なくとも大きい出版社から出す電子書籍は。
紙媒体のコンテンツがあっても、それを電子書籍用にフォーマットしなおして、デザインして、配信手数料も想像以上にかかる。販売数はまだまだ全然少ないのに、初期投資は結構な額になってしまう。それにこうやって契約書作ったり送ったり、支払いも少額を定期的に振り込んだり、細かくて小さいビジネスでしょうね。

出版社が既刊を出してくれる、それもきちんとした形で、というならもちろんやってもらうけど、電子書籍で可能性があって面白いのは、やっぱり自分で作って出す、セルフパブリッシングなんだろうな。
電子書籍ストアだったらどこから出しても同じように並ぶんだし、ちょっとがんばれば制作もできなくもない。
大手もやっと手をつけ始めたところで、ノウハウとしては個人も出版社もそーんなには変わらない気がするし、興味ある人は「自分で出す」って選択肢も持ってたらいいんじゃないかな、と思うわけです。